表参道にある裏参道ガーデンで、ビールの注ぎ方の違いについて教えてもらってきました。
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表参道駅はA2の出口より、伊藤病院の裏手のほう。
住宅街の中にぽつんとあります。
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住宅街の細い道からさらに中に入るという見つけにくさが、なかなか面白い。
そんな裏参道ガーデンの1階の一番奥のスペースに、毎日17時から「茶坊主劇場」という名前でビールのお店があります。
ビールの注ぎ方、グラスの種類でビールの味わいの違いを確かめてきました。

と、まずはビールを飲む前の準備から。
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そう、ビールを注ぐグラスです。
 ビールを注ぐ前のグラスの状態も、おいしくビールを飲むためには大切です。
グラスに香りがついていないか、ゴミがついていないか。
ビールを味わうためには、グラスをまずはきれいに洗う、そして、変な香りがついていないことを確認する。
これ大事です。
実際、比べてみると意外にグラスに香りってついているものなんですね。
洗った後、グラス内の水滴を落とすためにタオルの上にグラスの底を上にしておいておくだけでも、グラスにタオルの臭いがついてしまいます。
グラスを冷やすために冷蔵庫に入れておいた時、冷蔵庫に入っている食材の香りがついてしまうこともあります。
そんな香りも、水で洗うことで簡単に消すことができます。
ひと手間といえないちょっとしたことで、ビールをおいしく飲めるのだとすれば、これはしっかりやっておかねば。
これ、意識しておかないといけないですね。
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さて、ここからはビールです。
まず出されたのは3本のスーパードライ。
1本は常温、もう2本はしっかり冷やされたビールです。
この缶ビールで確認しておきたいことは炭酸。
常温のビールでは炭酸が液体に溶け込んでいないので、 缶を指で押したときに炭酸による反発がとても強くなっています。
もちろん、よく冷やされたビールでも、衝撃を与えていたりしていると炭酸が液体に溶け込んでおらず、同じような状態です。
冷える・冷えてないだけでなく、保管状態でも異なるビールになりうる…ってのは、わかってるようで実はそこまで意識をしていなかったような気がします。
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ようやくビールを注いで確認です。
グラスにビールを注ぎますが、右側は普通に泡を立てて注いだもの、左は泡立てないようにそーっとグラスにビールを注いでいます。
飲んでみると、これだけで味わいが変わります。
右側のビールは炭酸が弱く、ビールの味をしっかりと感じられます。
逆に左側の注ぎ方だと、炭酸が強く残っています。
そのため、口に含んだ時に炭酸が口の中ではじけるので爽快感のある味わいになります。
炭酸をどう抜くかで味わいが変わってしまう。
どちらが正しい注ぎ方とかどちらがおいしい注ぎ方というわけではなく、ビールに合わせて注ぎ分けるのがいいのかなという感想です。
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注ぎ方の解説の時に「例え」として出されたのが、塩(砂糖?)が水の中でどのように溶けるか…
かき混ぜ方によって、溶け方が異なります。
溶けにくいのはクルクルと水をかき回した時。
薬剤学的には「ぬれ」の知識だと思いますが、液体に個体がどれだけ触れるのかというのが溶解の速さにつながる。
これと一緒で、ビールを注ぐときもビールの液体ができるだけ衝突させないようにグラスに円を描くように液体を流し込んでいくことで、炭酸を抜かずにビールを注ぐことができる。
どのようにビールを注ぐと炭酸を抜かずにビールを注ぐことができるのかを、理論で考えるというのは面白いですね。
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そんな解説を受けた後、瓶ビールを自分とお店の方とで同じように注いでみました。
…ま、解説を受けた後すぐにそれができる…とはいかないわけでして。
同じように注いでみても変わってしまう味わい…っていうか炭酸の度合い。
面白い。
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今度は瓶ビールや缶ビールだけではなく、Tapの樽生ビールでも試してみました。
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こちら、泡の出し方による味わいの違い。
泡の種類を変えているわけですが、 それだけで味わいは変わります。
出す泡の種類でも味は変わる。
これ、衝撃的。
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ビールの注ぎ方を4種類に分類してもらいました。
樽生ビールでしか注げない注ぎ方もありますが、これを意識すると面白い。
正しい注ぎ方ではなく、注ぎ方によってどのように味わいが変わるのかを意識しなくてはいけないということ。
なかなか難しい…
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そろそろ頭がヒートアップしてきたので、最後はクラフトビールを。
ここでは、グラスの種類を変えて飲み比べてみました。
ちなみにこちらの飲み比べ、違いはグラスの薄さです。
唇にあたるグラスの面積、入ってくるビールの方向などに違いが出て、これでも味わいはしっかり変わりました。
具体的には味わいの鋭さが違うという感想。
薄いグラスのほうが味わいが鋭くなって、厚いグラスでは柔らかさを感じました。
どちらがいいというのではなく、ビールによって、もしくはどのようにビールを飲みたいかを踏まえてグラスを変えることで、飲みたい味わいに多少もっていけるということ。 
この知識は家でもできそうなのでしっかり覚えておかねば。


いやはや。
なかなか刺激的でした。
ビールは保管状態だけでなく、注ぎ方、そしてグラスの選び方で味わいが変わってしまう。
それ自体は、なんとなく認識をしていましたが、こうやって確認するとすごいことだなと思います。
僕が好みだと思ったビールを、他人が好みではないと考えたとき、それは単にビールの味ではなく、注ぎ方や飲んだグラスによるものかもしれない。

こういうマニアックな感じ、好きです。
きちんと理論として説明されるのが楽しい。
勉強しに通いたいと思います。