気が付けば6月もあと少しでおしまいです。
っていうことは、舌がんになって7年が経過したということになります。

術後5年が経過した時点で、基本的には再発はないということで一安心ですが、このブログでも記録している通り、ビールは飲み続けていますし、潰瘍性大腸炎にもなっている、いろいろなリスクを抱えているカラダです。
今後も定期的に確認はしていきたいと思います。
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閑話休題。

ここ最近の話題として、がん治療における「標準治療」という言葉が世間をにぎわせています。
民間療法がどうだこうだという話も出てきていて、いや、もちろんそれがあまりよくないなと個人的にも考えていますが、僕ががんになった7年前から、全く議論が進んでいないと感じていることについて、こうなったらいいのに…と感じていることを記録に残しておこうと思います。


標準治療とはどのような治療なのか…
まずはそこからかなと思いましたので、その定義から。
かの有名な国立がん研究センターがん情報サービスのHPでは、このように定義されています。

「標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。
一方、推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で「標準治療」という言葉が使われることもあるので、どちらの意味で使われているか注意する必要があります。」

ここで、覚えておきたいのは患者さんの状態によって、選択される治療は異なるということです。

標準治療を受けるべき、提供するべき…というのは当たり前なのですが、医療者はその患者にとっての最適な治療はこれであると信じて、その治療法を選択しているということは覚えておかないといけないと思います。(それが現在の標準治療とは異なっていたとしても、その医療者が目の前の患者に対する最適な治療として、自信をもって提示していることがほとんどなのではないかなと思います。これはおそらく、民間療法を推奨している医療者も、そこに関しては同じなのではないかと思っています。)
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じゃあ、どうしたらいいのか?
僕の中での答えは、「医療を受ける側も、しっかり治療について調べて、一緒に考える必要がある」だと思っています。
なぜその治療法なのか?自分が調べた治療法とはなぜ違うのか?
そこを医療者とすり合わせることで、その人にとって納得のいく治療がなされ、また、患者自身の納得があるからこそ、治療に対する満足度が上がり、もし、治療がうまくいかなかったとしても後悔が少なくなる。
それが、本当の意味での標準治療なのではないかと思います。
(さきほど定義した標準治療からは、少しずれてしまいますけどね)
もう、言われたままの治療を何も考えず受け入れるってのは、今の時代にはそぐわなくなっているんじゃないかな。
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この観点で、オーシャンブリッジ高山のブログを運営されているこの方は本当に素晴らしいと思います。
そうすることで、日本において医療を受けるということに対する認識が変わり、みんなが納得のいく治療を受けられるということに繋がっていくのではないかと思っています。


納得して治療を受ける、その姿勢が大切。
専門外のことを調べるってのはとても大変だと思いますし、医療者をプロフェッショナルなんだから…というのは簡単です。
でも、結果は自分に返ってきてしまうのです。
患者自身の医療に対する考え方を変わることで、医療者の考え方も変わる。
患者と医療者も、ある意味、相互監視の関係性が作られないと、この先も同じことが言われ続けるのかなと思いました。

まぁ、言うは易し、行うは難しなのですが、もうそろそろ…ね。
さ、ビール飲みますか。